PBCによる営業活動の自動化戦略

スタンドアロニズムではマーケティングやセールスに人的リソースをかけないことを基本とする。単独開発では、人的リソースはプロダクトに優先的にあてるべきである。それでも、ユーザーにプロダクトを知ってもらわなければ、ビジネスは始まらない。私の結論は、個人技での突破が、もっともレバレッジが効いた、拡散方法だと考えた。このスタイルをPBCと呼び、ここで説明する。

  • Product
  • Bot
  • Customer

これらの頭文字をとってPBCと呼んでいる。PBCとは以下のような特徴を持つ。

  • ボットによるコントロールインターフェイスを備えたプロダクト
  • 見込み客のとなる顧客リストを自動的に収集するボット
  • デモストレーションを自動化し、見込み客に自動でリーチするボット
  • プロダクトとボットがKPIにより管理され、改善されるOODAループ
  • 専用にアレンジされた必要最低限のチームへのスケーラビリティ
PBCフレームワーク

ボットがプロダクトのデモを作り、見込み客に対し、彼らのためにカスタマイズされた形で製品のデモを売り込む。プロダクトとカスタマーの間にボットが介在することが特徴だ。これをマーケティングオートメーションの概念とも近いが、プロダクト自体が自動化されたボットに対して操作可能な互換性があることを特に重要なポイントである。見込み客は自分専用にカスタマイズされたデモプロダクトを見て驚く。

ボットによる「コントロールインターフェイス」を備えたプロダクト

例えば、プロダクトはデモできるプランを用意しておく。デモ版は無料版でもあるが、アカウントの登録を必要としない。導入効果を感じさせるのに必要十分な機能に絞っておく。そのうえで、内部的にボットから、操作可能にしておく。デモ版の使用に留まらず、顧客情報にアクセスするインターフェイスを用意しておく。これがあとでボットによる効率的な顧客へのアプローチに役に立つ。ユーザーごとに異なる継続的提案をが可能であることを意味する。

見込み客のとなる顧客リストを自動的に収集する「リスティングボット」

新規顧客開拓は容易なものではないが、PBCは潜在顧客を選定し、リストアップしたのち、デモを事前に作り、顧客にアプローチするというプロセスを自動化するフレームワークを提供する。プロダクトの見込み客を選定するため、キーワードなどに関連するサイトを検索エンジンから、あるいはユーザーをSNSなどから、自動で探索して収集するボットとして利用できる。

デモストレーションを自動化し、見込み客に自動で配布する「ポスティングボット」

プロダクトのインターフェイスに対して、見込み客リストを渡し、プロダクトからそれぞれの見込み客用のデモを受け取る。そして、見込み客のサイトの問い合わせフォーム、SNSのメッセンジャー等に自動でポストする。

real-sitemapの場合、顧客はキュレーションメディアやブログなので、ターゲットは問い合わせフォームである。スパム対策で、画像内の文字列などを入力させるものがあるが、これらに遭遇した場合、人力で入力できるように、判定できるようにしておくのが望ましい。

利用状況が蓄積されるデータベースとKPIにより管理と改善ループ

前述の3機能には効率性が定義でき、成果は明らかに定量的に評価できる。この特性を用いて、利用状況が蓄積されるデータベースを用意し、分析できるようにしておき、KPIを設定し、プロダクトおよびボットの改善ループを高速で回す。

例えば、アプローチからのアカウント登録の効率が悪ければ、ボットのターゲティング変更する必要があるかもしれない。あるいはプロダクト自体をアップデートする必要があると気づくことができる。管理目標(KPI)には以下のようなものが使用されることが多い。

  • ボット効率
    • 1CPU時間あたりのアプローチ数
  • 成約率
    • 1アプローチあたりのアカウント登録率

real-sitemapの例でいうと、以下のようなものを採用している。

成約率 = デモ成功率(リストボット性能)× フォーム突破率(ポストボット性能) × デモ訪問率(レターの質) × サインアップ率(デモ品質) × 埋め込み成功率(プロダクト品質)

専用にアレンジされた必要最低限のチームへのスケーラビリティ

スタンドアロニズムでのスタートアップでたちあげたビジネスが顧客に受け入れられるものだと分かったとき、規模の拡大(スケール)を行う時が来る。

PBCでは、スタンドアロニズムからのスムーズなスケールを想定している。採用すべきチームはPBCに親和性を持つように、人の方がアレンジされる。このとき1ビジネスに1PBCユニットという3人からなるチームを編成する。

  • Product担当エンジニア
  • Bot担当エンジニア
  • Customer担当マーケター

Product担当エンジニアは言葉の通りプロダクトに技術的責任を持つ。Bot担当エンジニアは文字通りボットに技術的責任を持つ。そしてCustomer担当マーケターはKPIを監視し、プロダクトやボットのどのように改善を決定する。これで必要最低限のチームが構成される。

終わりに

そして、PBCは営業活動というストレスフルな作業をできる限り省人化して、本質的なマーケティングにフォーカスできるように半自動化されたフレームワークとも言える。ITサービスではボットによるコントロールインターフェイスを備えることが容易で、親和性が高い。ボットファーストが原則であり、組織はそのためにアレンジされる。近い将来AIが組織の中核的エンジンになるだろう。人は、クリエィティビティにフォーカスすることが求められている。


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